2012年 01月 25日 ( 1 )

 

首都直下型地震報道について

首都直下型地震報道についてどうもミスリードな感じがあるのでまとめた。ツイッターの内容とほぼ同じ。

今後4年以内にマグニチュード7クラスの首都直下型地震が、約70%の確率で発生するという試算報道に対して元ネタが東大地震研から公開された。不満があったのか以下の文章がある。「報道関係の方へ:関連する内容を掲載の場合は,個々人の取れる地震対策にも触れてください。」http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/shutoseis/

元々30年以内に70%の地震なので,体感的にはどちらにしろいつ起きてもおかしくない地震である。元のHPにも,日本であれば,首都圏に限らず,どこであってもM7程度の地震が起きることが考えられます,と書いてある。マスコミは書かないけど。

ちなみに上記の確率も,1885年以降のM7クラスの地震と,最近の小地震の発生頻度からG-R式で算定した値なのであくまで経験則というか参考値である。なんで今更公表するのかと思ったが,文章を読むと注意喚起みたいな意図らしい。しかし結果的に不安を煽っただけのような印象である。

報道の首都圏直下M7クラスの地震は1885年以降5回発生している。そうすると発生頻度は約25年,直近は1987年だから経験上はいつ起きてもおかしくないとなる。ただし首都圏で5回といっても東京湾が1回であとは茨城2回と千葉と浦賀水道。想定範囲も広い。こう書くと印象が変わるだろう。

また,報道の首都圏直下地震というのは深さ30-80kmのプレート間・内地震なので,阪神大震災のような浅い内陸地殻内地震とは別物。先日のプレート内を伝わる波の話もあるので一概には言えないが,深さ10kmと30kmでは揺れはそれなりに違う。過去の5地震でも死者は31人が最大であとは一桁。

なお,浅い内陸地殻内地震もM7クラスはどこで起きてもおかしくはない。ただし今回報道されている地震とは発生確率のオーダーが違う。最近では中越・能登半島・中越沖・岩手宮城等良く起きているので発生確率もあてにならないものだが,地震研はこの辺も念頭に置いて書いていると思われる。

あと念のために書くと,M8クラスの関東大震災は別扱いである。測地学的データや元禄地震との関係から,概ね200-400年間隔とされているので1923年からカウントすると,しばらくは起きないということになる。また1885年以前の地震では安政江戸地震の死者が4桁と多いが深さに諸説ある。

以上の点を踏まえて2chのまとめサイトを見れば違う視点から楽しめるだろう。3.11の地震もあり,突き詰めると地震はわからないというのが結論なのだが,ある程度情報をもって恐れた方がよいと思う。M7級の地震を想定する必要はあるが,今回の報道のみで過剰におびえる必要性は全くない。

by beam-column-joint | 2012-01-25 22:20 | seismo